株式会社フロム・インパクト 代表取締役 尾形哲也

前職は石巻市の消防士(2010年3月まで)
起業準備中の2011年3月、東日本大震災を経験
2011年6月  株式会社フロム・インパクト設立
2013年1月  大久保秀夫塾にて「公益資本主義と王道経営」を学ぶ
2018年4月  グロービス経営大学院 経営学修士号(MBA)取得

創業の想い

なんとなく生きるのではなく生きる意味をしっかり持ち生きる

株式会社フロム・インパクトは東日本大震災後の2011年6月に設立されました。フロム・インパクトの名前の由来は「From Impact(震災から)」です。たいへん残念なことに、震災では多くの尊い命が失われました。私はいまでも頭から離れない光景があります。

地震の翌日の3月12日、私も親類が亡くなった知らせを受け、ある葬祭会館へ行きました。葬祭会館には遺体が収められたおびただしい数のお棺が並んでいました。その中に明らかに他のお棺とは大きさが違う、小さな小さな2つのお棺がありました。2つのお棺は、そばに並べられており、周りには家族と思われる方たちがいました。亡くなったのは恐らく小学生にもならない小さな兄弟だと思います。その兄弟のおじいちゃんと思われる方が「◯◯(子どもの名前)、俺が変わってやるから起きろ!順番が違うだろ、お前がいくことねぇんだから、俺が変わってやるから起きろー!」と大粒の涙を浮かべながら泣き叫んでいました。

私は胸が張り裂けそうな思いでした。そして、思いました。きっと、あの子たちは生きたかっただろうな、と。生きていれば、どんな希望ある未来があっただろうと想像もしました。
私は震災で命の危険を感じるような体験をしたわけでも、命カラガラ助かった状況でもありません。でも、確かに言えることは、生きたくても生きられなかった命があったということ。震災で亡くなった多くの方たちからすれば、生きている自分たちは生かされたということです。それまでの自分は、どこか自分のためだけに生きていた気がします。そんな自分に嫌気がしました。

生きている人は生きる意味をしっかり持ち生きていかなければならない。でないと、亡くなった方たちに申し訳ない。そして、亡くなった方たちに恥じない生き方をしよう。自分のためだけに生きるのではなく、もっと社会のために何かできる生き方をしよう。そう心に決めました。

社会に貢献する企業として

私たちフロム・インパクトは、ITを通じて、社会貢献をする企業です。社会に本当に価値のある事業とは何かを真剣に考え、自分たちに何ができるか知恵を絞り、地道な努力を重ね形にし、一枚岩となって実現へと向かっていく。そして、社会から頂いた利益をさらに社会課題解決のために使っていく。社会が少しでも良くなっていくために、存在する企業でありたい。そう思っています。

社会課題は、今日明日どうなるかなんていう、なまやさしいものではありません。出来たばかりの会社が無責任に大それたことを言ってるだけと思われるかもしれません。しかし、私たちは絶対にあきらめません。到底解決できないと思ってしまうことにも粘り強く挑戦し続けます。

私たちの世代で成し遂げられなくても、志を受け継ぐ者たちが長い時間をかけてでも必ず成し遂げる。だからこそフロム・インパクトは存続し続ける必要があります。100年先まで志が引き継がれるような企業を目指します。

これが私たちフロム・インパクトの在り方です。